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わがまま読書 独断と偏見に満ちたこむずかしくない読書案内です。教科書からマンガまで。
『ガール』(奥田英朗原作 早坂いあん漫画 2007年 講談社)

 20代。失敗しないように必死に仕事をした、それでも失敗すれば「すみません」とひたすら謝れば許された、そしてそれがまた「かわいい」と男性にはもちろん女性にもうけた、受付ガールも花束ガールもこなせた…… それが30代になると風向きが変わる。横並びが崩れて出世の階段がちらつく、「出産適齢期」のプレッシャーとともに「結婚」の罠が足元に迫る、仕事に見切りをつけて資格獲得に奔走する……このワーキングガールたちを「ミソジージョ(三十路女)」というそうな。
 ミソジージョたちの哀歓がリアルに描かれていておもしろい。ガッツで、パートナー、出産、キャリア、マンションーー欲しいものを貪欲に(そこには無論、口惜し涙も怒りも絶望もあるが)獲得していく現代の働く女性。その生態を描いているのが男性であることでよけいにフレッシュに感じられるのかもしれない。とくに女性同士の感情のひだにわけいって(お局さま対女の子、あるいはひっつめ髪のスーツ対フリフリドレスという従来のパターンにはまらずに)いるのが興味深く、どの女性の生き方にも好意的なので、読後感はいたって爽快。
 「きっとみんな焦っているし、人生の半分はブルーだよ。既婚でも、独身でも、子供がいてもいなくても」というフレーズが出てくるが、この醒めた目は、どうもあまりマンガにはむいていないみたいで、マンガとしては少々「薄い」。原作を読んでみたくなった。
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