判例 女友だち 映画ウォーキング 情報BOX わがまま読書 リンク おたより欄
わがまま読書 独断と偏見に満ちたこむずかしくない読書案内です。教科書からマンガまで。
『労働法』(浅倉むつ子・島田陽一・盛誠吾著・有斐閣)

 女性が一人執筆者に加わると、たとえ無味乾燥といわれる大学テキストでも、鮮やかな変身をとげられるという見本である。
 「1労働法の魅力」、「2労働法のダイナミックス」、「3労働のステージ」、「4私生活と労働生活のデザイン」、「5集団的労使関係システム」、「6変容する労働市場と法」という構成がまず斬新で魅力的だ。
 労働法は、社会の変化とともに激しく動いている。その激しさは他の法律にも増して大きい。その構造的な変化をもたらしている原因の一つをこの本では、「男女平等」「性別分業の撤廃」という軸でおさえている。類書との大きなちがいである。 
そして今日の労働の中での新しい論点である「ディーセント・ワーク」、「ワークシェアリング(オランダ・モデル)」、「間接性差別」、「リストラ出向」、「Eメールのモニタリング」などをコラムに取り上げ、現実に生きた法知識を学べるようになっている。 
 さらにこの本がおもしろいのは、3人がそれぞれ労働法あるいはその教え方に深い疑義を感じていて、それに何とか答えようとしている点である。
 長期的な大不況の中でこそ「労働法の復権が必要」(なのに必ずしもそうなっていないのでは?)、「労働法はそれを必要としている人に届いているのだろうか」、「団結権の保障の意味をどれだけの労働者が理解し、実践しているだろうか」……。
 この本には現段階での労働法の最先端の知識・情報がつまっている。これらを使いこなして、さらにはそれを変えていくことによって、人間らしく働けるようにするのは、私たち一人一人なのだ。
 「労使関係ってなあに?」と質問して、並み居る大学教授を仰天させた有名大学法学部出身のあの人も、この本を読めば労働法アレルギーが少しはなおるかも。


Copyright(C) 2001 GAL. All Rights Reserved.
 
TOP BACK