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『風となれ 土となれ』
 山野和子記念文集刊行会 有斐閣アカデミア 2005年


 均等法制定のおり、婦人少年問題審議会の労働側委員として、男女平等法から遠ざかってしまった法案に反対し、一歩も譲らなかったが、この法律の制定なしには、女性差別撤廃条約が批准されないと、最終決断をした人。それが当時の総評婦人局長、山野和子である。一方の労働省婦人少年局長、赤松良子をして「あんたは大した人だった」と言わしめた人である。総評を退いてからは、フォーラム[女性と労働21]を立ち上げ、女性労働に関する研究会を組織、情報を発信し続けた。
 2003年に病のため、惜しくも亡くなったが、その1周忌を期して、労働運動の仲間たちや労働法を中心とする研究家が集まって、偲ぶ会が行われた。本書はその偲ぶ会を活字で再生するとともに、女性労働にかかわるテーマや山野さんの人となりを語るエッセイを、山野さんの広い活動を反映して多くの人々が書きしるし、また、山野さん自身の講演録をおさめたものである。
 労働運動界は、いまだに旧い男性中心型の社会といわれるが、今よりそれがずっとひどく、でも労働運動自体は輝いていた時代に、女性が男性と平等に働ける社会をめざして、先頭に立って闘い続けた山野さんは、本当にカッコよかった。
 本書の中で、何人もの人が書き留めているが、男女平等法獲得のために、冬、労働省前の座り込みを指揮した勇姿を思い出すと、胸が熱くなる。
 インターもストも春闘も知らない若い人々にもぜひお薦めしたい。一つ一つの文章は簡潔であって、単に今は亡き人をほめあげた追想集とは異なり、あきることなく読める。写真も何枚かあって、在りし日の山野さんを偲ぶよすがとなる。
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