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わがまま読書 独断と偏見に満ちたこむずかしくない読書案内です。教科書からマンガまで。
『男女摩擦』  鹿嶋敬著  2000年 岩波書店

 日経新聞の編集委員であり、25年間生活家庭部(現在の生活情報部)に籍を置いた著者が、取材体験をベースに書き下ろした労作。前書きで、「夫が働き妻が家を守ることを前提に組み立ててきた家庭の秩序、企業・社会のシステム、さらには社会通念までが、かつて遭遇したこともないような価値観やライフスタイルの激変期にあって、適合できないため悲鳴をあげている」と指摘する。
 さすが日経新聞の編集委員の著だけに、企業の労働者と雇用側双方への取材が深く具体的で、財界の意外に早い男女共同参画への方向転換なども詳しく紹介されている。総合職女性を女性はなぜ去ったかの分析にうなずくとともに、しっかりと業績を残してきた女性たちの声を聞くと元気になれる。企業の多様化も著しく、ジェンダーフリーを看板にかかげた企業のユニークなこころみは興味深い。男女共同参画社会基本法で広がった「男女共同参画」の言葉の分析もふんふんとうなづける。今もなお各自治体で、制定する条例の名前は「男女共同参画条例」か「男女平等条例」かと真剣に議論されているが、参考になる。(ただ、基本法制定当時は、「平等」にはアレルギーを感じるが「共同参画」には目をつぶっていた人たちが、少し時間をおいて最近では「共同参画」=「男女平等」だとわかり熱心に反対をはじめているので、「共同参画」もなかなかの存在になったと思うのだけど) その他、著者自身が体験された高校の家庭科教科書づくりと検定の若干時代遅れな姿勢など、是非知ってほしいことが盛りだくさんである。財界のジェンダー分野での進化をこれからも紹介し続けてほしい(S)。


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