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わがまま読書 独断と偏見に満ちたこむずかしくない読書案内です。教科書からマンガまで。
「マサコの戦争」(大脇雅子 講談社 2004年)

 マサコといっても、雅子妃のことではない。前参議院議員・弁護士の大脇雅子さんの、出生の時から、第二次世界大戦の前夜、そして終戦直後までの自分史である。その記憶は実に細かい。感受性のみずみずしさをもった一人の少女の目に映った戦争の実態が描きとめられている。印象深いエピソードがいろいろある。なかでも、日本本土空襲として最大級規模の岐阜大空襲の中を祖母と弟と逃げた記録は、淡々と事実を伝えているのだが、読むものに衝撃を与える。
 著者は憲法調査会委員を務めていたが、その公聴会において、ある女子学生が憲法9条改正の意見を述べたとき、野党の議員が「あなたは今から60年前の戦争体験を誰か大人からききましたか」という質問に対し、若い彼女があっさり一言「聞いておりません」と答えたことに大きなショックを受けて、自分の経験をどうにか若い人々に伝えたいという願望のもと本書を書いたという。声高でなく堅苦しくもなく、普通の生活が戦争によって崩壊していく状況が語られていて、1編の小説を読むようだ。著者の平和への願いがひしひしと伝わってくる好著である。
 レディス・コミックにするといいのに。
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