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『ジェンダーの憲法学―人権・平等・非暴力―』若尾典子 家族社 2005年

 本書は、2004年7月の新潟ウイメンズ企画主催の「ジェンダー視点から『法』をみる」の講演録に、大幅に加筆されたものである。著者は、広島大学保健福祉学部人間福祉学科教授。さまざまな具体的な裁判例を紹介しながら法の考え方を説き、特に憲法とジェンダーの問題をとりあげている。女性天皇論、妻妾制、墓、姓、婚外子、アジアのキーセン観光、沖縄でのレイプ事件など、多岐にわたるが、コンパクトにまとめられている。
 中でも、憲法24条に関して、「家族を保護する責務」の新設が提案される今、タイムリーな本である。著者は24条に関して次のように述べる。「24条は、家族の保護を国家の責務とはしないことを宣言する条項です。それは、家族関係をどうでもいい、とする意味ではありません。憲法が『家族保護』を規定すると、特定の家族像が国民に強制されることになりかねない、との判断が、現在の24条を成立させています。『家』制度が国民に強制された苦い経験は、24条に家族保護条項が挿入されることを許さなかったのです。したがって、24条が家族保護条項を否定した条項であることは、『家』制度だけにとどまらず、特定の家族像の強制を否定することを意味しています。そうです。24条は、近代家族制度も、特定の家族像の強制として否定しています。」 非常に明確である。1500円+税
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