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わがまま読書 独断と偏見に満ちたこむずかしくない読書案内です。教科書からマンガまで。
凍てついた夜(リンダ・ラ・ブラント 奥村章子訳 早川書房 1996年)

 主人公のロレイン・ペイジは元警官。警部補だったころ勤務中に飲酒して、無抵抗に逃げていく少年を後ろから射殺した。もちろん首になり、離婚。娘二人は夫が親権をとった。そもそもアルコールにのめりこんだきっかけは、レイプされた少女の惨殺事件がトラウマになっていることや男社会である警察でのさまざまなプレッシャーや仕事上の良きパートナーを事件の犯人に撃ち殺された衝撃とかが重なっていた。社会的地位を失い、家庭も失い、アルコールに溺れた女性の転落ははやくすさまじい。売春でいくらかの金を得てはそれをアルコールにつぎ込む生活。心身共に病み、昔の面影は全くない。
 ある日、交通事故でアルコール依存症の矯正施設に送られ、ここでロージーに出会った。がりがりにやせたロレインに対し、太った気のいいロージー。矯正施設からでた二人はロレインがロージーの部屋に転がり込む形でルームメートになる。断酒会に誘うロージーと放埒な生活のやまないロレイン。二人はいがみ合ってばかりいる。
 またもや売春をしようとしたロレインが事件に巻き込まれる。ここからロレインの警察官だった時代の経験が蘇ってきてさらに探偵事務所を開きたいという夢が生まれる。何度もアルコールに戻ってしまうロレインに怒り、放り出そうとしながらそれでもなんとか支えていこうとするロージー。この二人の勇気と知恵で連続女性殴殺事件の犯人を追いつめていく推理小説である。推理部分はあまりおもしろいとはいえないが、女性2人がアルコールの嗜癖から立ち直っていく過程での葛藤としたたかに生きていこうとする姿がきれいごとでなく書かれていてなかなか好ましい。イケメン男性にあっという間にいかれてしまう姿などいかにもかっこよくなくて、共感できる。
 映画化されたら痛快なものになるだろう。
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