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福島みずほ『娘たちへ』岩崎書店 2009年

 生活臭のないみずほさんにはもう成人の娘さんがいる。子どもが18歳になるのをみずほさんはずっと前から楽しみにしていて(たしか家族解散式をしたいと言っていた)、その日を迎えたとき「これで母親卒業」と喜び勇んで宣告したら、娘さんが「入学もしないくせに」と切りかえしたそうな。おお、この親にしてこの子あり。
 夫婦別姓の実践者でもあるパートナーが幼い娘に読み聞かせをしている傍らで、みずほさんは睡眠学習をしていたなどといううらやましいエピソードを交えながらのいつもの親しみ深い語り口の中で、バトンタッチをすべき若い世代へのメッセージが明るくはじけている。
 福島さんがあれだけポジティブにニコニコと生きていける根っこにあるのは、実に多くの人に愛されているという彼女の実感である。福島さんは自分の両親はもちろんその他に大勢の社会の母、社会の父、社会の姉、兄などに囲まれている上に、古今東西の人からたくさんの知恵とエネルギーと勇気をもらっている。たとえば、大学生のときに読んだ森崎和江さんの「手に負えないものと格闘せよ」というフレーズは、しんどい思いをしているときの励ましの言葉だと言う。同じ頃、上京するみずほさんに母親の言った言葉「あなたはどこか骨のある人間だから、思う存分生きていきなさい」。そんな魔法のような言葉をみずほさんは折に触れて思い出し、「人生は失敗の連続、だからチャレンジ」と人生の新しいページをどんどんめくっていく。そして今度はみずほさんが若い世代にエールを送る番なのだ。
 「胸が張りさけそうなときもきちんと仕事をする」「女の人に意地悪しない」「変だな、と思ったら逃げる」といった説教がましくないでも実際に役に立つ「福島みずほが娘に伝える80の知恵」がこの本に詰まっている。
 みずほさんの娘と言うには程遠い私にも痛烈な一撃があった。「食べ物も人との関係も好き嫌いが激しくないほうがいい」だって!(巳)
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