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水谷英夫『職場のいじめ・パワハラと法対策』民事法研究会 2008年

 著者は、セクシュアルハラスメントや労働法の判例研究のすぐれた業績を持つ弁護士である。セクシュアルハラスメントの法律や判例に関しては、多数の書物・文献があるが、「職場のいじめ、パワハラ、モラハラ」に関してはほとんどない中、現時点における日本の判例や法的な状況が詳しく紹介され、わかりやすい。
 以下は、第1章のサマリーからの抜粋である。
 「職場におけるいじめ・パワハラは、その本質は、@「閉ざされた政治(権力)空間において発現する人間の悪」であり、その具体的内容は、A「集団(もしくは多数派)の個人(もしくは少数派)に対する不当な攻撃」であり、その背景として、今日進展している、B「労働の商品化」の進展に伴う、職場における人間関係(コミュニケーション)の不在があり、その結果として、C被害の深刻化・極大化をもたらしているのである。・・・・
 EU諸国をはじめいくつかの諸国が先駆的な職場のいじめ対策立法に踏み出しており、EUレベルにおいても共通立法化に向けた動きが本格化しつつある。対して、日本ではまだ問題意識がジャーナリスティックなレベルにとどまっており、労働法の観点から踏み込んだ研究はほとんどみられないし、いわんや労働政策として真剣に取り上げていこうという動きもみられない。しかし、職場におけるいじめが、労働者の人格や生活をおびやかすことになり、職場秩序をも侵害する深刻なものであるとの認識が広がるにつれ、積極的に使用者責任を認める裁判例も登場するようになり、また行政当局も労災認定に取り組むようになり、さらに自殺対策基本法の制定等によって、事業主に被用者のメンタルヘルスに取り組むことを求めるようになってきている。当然われわれも、職場のいじめについて真剣な検討を迫られる時期にきているといえよう。」

目次
第1章 職場の「いじめ」「パワハラ」とは?
第2章 職場のいじめ・パワハラの法的責任
第3章 職場いじめ・パワハラに対する対処法―被害者側
第4章 職場いじめ・パワハラに対する対処法―加害者・使用者側
第5章 職場いじめ・パワハラの予防法
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