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わがまま読書 独断と偏見に満ちたこむずかしくない読書案内です。教科書からマンガまで。
サメマチオ『春はあけぼの 月もなう 空もなお』宙出版 2012年

 春はあけぼの…学校で国語の時間教わったもので記憶に残っているものはほぼ皆無。そんな私でも枕草子のこの部分はすとんと残っている。
 1000年前の日本の情景を感性豊かに捉えた枕草子のフレーズを手がかりに,21世紀の日本の淡々とした,でもときに胸がきゅんとなったりほんわかしたりする日常を,さらりと,でも大切に描きだす。
 登場人物は様々,猫と女の子,サラリーマン,倦怠期らしい夫婦など。主には,小さいころからの友だちで,それぞれ一人暮らしをする清田尚子と定岡良美。良美が結婚して,一人暮らしをやめて引っ越す際に「私じゃ書かないもの」と,尚子に日記帳をくれる。その代わりに,「書いたらみせてね」。尚子は書くのだが…。
 ただ過ぎに過ぐるもの
 帆かけたる舟
 人の齢
 春,夏,秋,冬  (第243段より)
 するする読んでいって,最後には胸が締めつけられる。この世の中の人と人との関係,季節の移りかわり,ちょっとしたことのひとつひとつが,どんなに素敵なことか…。
 普段漫画を読まない私は,漫画がこんなに素晴らしい表現手段にまでなっているとは知らなかった。いろいろ読みたい。(良)
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