判例 女友だち 映画ウォーキング 情報BOX わがまま読書 リンク おたより欄
わがまま読書 独断と偏見に満ちたこむずかしくない読書案内です。教科書からマンガまで。
打越さく良著「レンアイ 基本のキ―好きになったらなんでもOK?」岩波ジュニア新書 2015年

 あ〜おもしろかった。本当におもしろかった。
 電車の中で吊革につかまって読み、階段やホームを歩きながらも読み、自転車で信号待ちをしているときも読んだ。
 もちろん、著者の友人として、いくらタイトルが私の年齢と外見にあまりに似つかわしくなくても、カバーを掛けることは許されない。「デートDVは他人事じゃない!!」と大きく書かれた帯ごと、堂々と広げて読む。好奇・哀れみの視線が突き刺さろうとも、時に微笑み、頷きながら読む。きっかけは何であろうと、1人でも多くの方が、本書を知り、手に取ってくださる機会が増えれば嬉しい。もちろん、今も、電車の中で本書を片手に書評を書いている。
 本書の簡単な紹介は、当HPのブログ、当事務所HPのトピックに書いたとおりである。
 少しだけ付け足すと、ストーカーやDV、ジェンダーバイアス等々、恋愛を不幸にする要素のすべてをピックアップし、「基本のキ」級のわかりやすさで「応用のオ」までしっかり語った本である。この分野について、これほど充実した本はないはずだ。「少女マンガなら読むけど、本はきらい」と言うあなたにもお勧め。あなたが大好きな少女漫画も沢山出てくるのだ。あぁ、全国の中学高校に配りたい。そして、大人たちにも是非読んでいただきたい。定価840円の1万倍の価値はあることは保証する。
 ところで、ほぼ全頁全行、そうだ、そうだ!と拍手喝采しながら読んでいた私の目が、一瞬止まってしまった箇所が1箇所ある。「何を隠そう、私は、まじめでガリ勉で恋愛経験もさしてないメガネのオバサンだ。」というくだりだ。本書の筋には何にも関係ない一文だが、
 この微妙な違和感は何だ…
 突然昔話を始めるが、著者、打越さく良との出会いは、約16年前の修習時代にさかのぼる。色白、黒髪、大きな目に赤い唇が印象的な美女が、ベンチにぼんやり座っていた私のところにユラユラとやってきて、おもむろに懐から姪っ子の写真を取り出して見せてくれた。姪っ子は確かに可愛かったが、著者の印象の方が強烈であった。UFOから降りてきた宇宙人、魔法のランプや壺から煙と一緒に出てくる何か、あえて可愛く言えばムーミン谷のニョロニョロの類い・・・。それまでの私の人生で著者と同じタイプの存在に出くわしたことがなく、現在に至るまでない。著者の印象は今も変わらず、「家に帰りまーす」と言って事務所を後にする著者を見て、「ああ、星に帰るのね。それとも壺かな」と内心突っ込みを入れているのは私だけではないはずだ。そんな不思議世界の住民を、「オバサン」という普通の分類に入れていいものだろうか。
 ついでに、「ガリ勉」だっただろうか。少なくとも修習時代の著者は、それと逆の印象であったことは言っておきたいところだが、著者の名誉のためにあえて言わないこととする。
 著者に恋愛経験がどの程度あったかは知らないが、長崎で実務研修に勤しむ私のところにポエムのようなメールを送り、時には電話で、当時の彼(=今の夫)と丘の上で過ごした時間だの何だのを語っていた。美しい思い出である。
 それはともかく、著者は、弁護士となってから寝食を忘れて仕事に奔走し、今や押しも押されぬDVやジェンダー分野のスペシャリストである。誰よりも頼もしい弁護士で、八面六臂の活躍ぶりである。最近は書評にも精を出し、ついに今回、ジュニア新書の世界にまでデビューしてしまった。魔法にかけられたような気分である。
 さてと、打越さん、次にどんな著作を世に出してくれるのかな。楽しみにしているよ!(渕)
http://www.iwanami.co.jp/cgi-bin/isearch?head=y&isbn=ISBN4-00-500814
Copyright(C) 2001 GAL. All Rights Reserved.
 
TOP BACK