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わがまま読書 独断と偏見に満ちたこむずかしくない読書案内です。教科書からマンガまで。
有元葉子著『使いきる。』講談社 2013年

 有元葉子の長年のファンとして、「また同じことを書いているんだろう」と予想しながらも習い性で手に取った。はい。予想通り、始終デジャブ感が漂う。
 洋服は定番ばかり、同じような色、同じような形の服ばかり。たとえばTシャツ、セーターは紺、黒、グレー、白の丸首かVネック。本当に大事なものをきちんと手入れしながらとことん使い切る。…という段階で、前も読んだなあ。いや、「あ、これ素敵!」と直感で花柄などデザインも色もまちまちなものを買って、あまり着る機会がなくても「そのうち着るかも」と箪笥の肥やしにしているものがあるダメなやつの私がツッコむ資格はない。
 台所仕事の始まりも終わりも何もない状態。洗いものが残っているなんてこともなし、シンクもきれいに拭きあげて水滴もない状態、水切りかごも何もない…。まっさらな気持ちで台所に立つ。家事の流れをつくるには「滞らせないこと」が大切。/バスケットの中に常備しているふきんは、和太布、びわこ、さらしetc.、どれも真っ白に洗っておく。/冷蔵庫にものがぎっしり詰まっていることはないように。生鮮食品を一時的に入れておく通過点である。毎日冷蔵庫内を徹底拭き掃除/台所に立つときは真剣、お腹を引き締める。調理台にくっつけない。/…
 以上は台所仕事のことだが、こんな感じで掃除や収納などについても「快適な暮らし」のコツが披露されていく。
 どれも前読んだ気がするぞ!…と、それでもほとんど真似していない私にツッコむ資格はない。
 それにしても…。何一つない台所の写真には、羨ましさよりも、ピンと張りつめた緊張感を感じてしまう。ここでわいわい、「うまーい!」と歓声をあげたくなるような美味しいものが生み出されるのかなあ?と、こっそり思う。そういえば、ずうっと前の有元のレシピにはマギーブイヨンも使っていたような気がするが、当にそんなものは排除されている。お手軽なブイヨンなどを利用する寛容さは今の有元にはない。美味しさも極めているのかもしれないが…。
 プラスティック製品は入れない、ペットボトルを持ち込んだ人には下げてもらう、ティッシュはなるべく使わない、といったところも、共感できる反面、そこまで厳しくなくても…とつい思う。正直、息苦しい。
 ひとり暮らしでお金持ち(おそらく)の有元ならともかく、お金もない子育て期の人がここまで美しすぎる生活を送ることは難しいよな〜。などとこの本には有元ファンながらいつになくぶつぶつ言いたくなった。
 とはいえ、凡人として少しでも素敵生活に近づくためには、謙虚にひとつふたつ真似していこう。とりあえずは、冷蔵庫をあけるたびに拭く、とかからかな。(良)
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