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わがまま読書 独断と偏見に満ちたこむずかしくない読書案内です。教科書からマンガまで。
『この国で女であるということ』(島崎今日子・教育史料出版)

 週刊誌AERAの連載インタビュー「現代の肖像」が好きだ。6頁ほど(写真もたくさん入っている)に一人の人間の生き方が収められている。現存活躍中の人々である。プライバシーに踏み込まなくては読む方はおもしろくないが、取材される方は守りたい限度があるだろう。その辺の攻防が緊迫感があっていいのだが、毎号読むたびにこれからの人生をこの時点で切り取られて、それが後まで残ると困る人もいるだろうと他人事ながら心配したりもする。
 それを1冊にまとめるという。全体で21人、10年前からのものであるという。その試みを耳にしたとき大丈夫?と思った。だって、取材された*年前にはアツアツの仲だったのがとっくに別れて別の人と進行中なんて、いまどき珍しくないもの。どうするんだろうと思った。この老婆心に対して「あとがき」が見事に答えている。「『この人を書きたい』と思い入れた、その時代時代の『意味』を大事にしたかったのである。……私の書いた『肖像』は、私の願望と投影の産物に他ならないのかもしれない」。
 桃井かおり、林真理子、大竹しのぶ、内田春菊…… 一癖もふた癖もある人ばかりだ。でも、彼女たちはかなり胸襟を開いて語っているように思われる。質問する側の姿勢がありきたりではないからだろう、興味を持って答えているのがよくわかる。とくに印象に残ったのは辛淑玉・田辺聖子の明るくスカッっとした戦い・はんなりした戦いである。
 今この国で女であることはまだまだ生きがたいものがある。しかし、戦い甲斐があっておもしろいこともあるということがよくわかって、へこんでいるときにぱらぱらめくっているとなーんか元気が出てくる本である。
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