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わがまま読書 独断と偏見に満ちたこむずかしくない読書案内です。教科書からマンガまで。
『虐待された子どもたちの逆襲』(佐藤万作子・明石書店)

 「母よ!あなたが私に人を殺させた。」というのが帯の文句である。この本を書店で見かけただけだったら、この世の中悪いのは全て母親のせいと喧伝する種の本であると思いこみ、きっと読まなかったと思う。だが、著者から「永山則夫さんのことが書いてあるから」とプレゼントされて、一気に読んだ。殺人を犯した3人を扱っているが、綿密な調査に基づいて書かれている永山則夫の章が圧巻である。彼らに共通しているのは、幼少の頃貧しく家庭的に不幸で、捨てられたり暴力を振るわれたり酷い虐待を受けていることである。彼らの恨みは深い。だが、本当に母に対する恨みや怒りの暴発としてだけの犯罪なのだろうか。著者は本書を書いた目的は「自分をアダルト・チルドレンと位置づけて、親を恨みながら自分を消耗している人たちに、責任は親だけにあるのではないことを知らせたかった」と書いている。サブタイトルの「お母さんのせいですか」はその意味を含んでいるのだろうか。アブナイ淵をあえて歩こうと試みている力作。
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