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判例 その他
1−2004.10.14
[裁判所]最高裁第一小法廷
[年月日]2004(平成16)年10月14日判決
[出典]判時1884号40頁
   法学教室2004年12月291号136頁
[事実の概要]死亡した男性の嫡出子3人が、相続財産をめぐり非嫡出子の男性を相手に不当利得の返還を求めた。
[判決の概要]
「非嫡出子の相続分を嫡出子の相続分の2分の1と定めた民法900条4号ただし書前段の規定が憲法14条1項に違反するものでないことは,当裁判所の判例とするところである(最高裁平成3年(ク)第143号同7年7月5日大法廷決定・民集49巻7号1789頁)。憲法14条1項違反をいう論旨は,採用することができない。」
裁判官島田仁郎の補足意見の抜粋
「民法900条4号ただし書前段の規定が憲法14条1項に違反するかどうかについての私の見解は,最高裁平成14年(オ)第1963号同15年3月31日第一小法廷判決・裁判集民事第209号397頁において私の補足意見として述べたとおりであるから,これを引用する。
裁判官泉コ治の反対意見の抜粋
「私は,民法900条4号ただし書前段の規定は,憲法14条1項に違反して無効であり,原判決は破棄すべきであると考える。その理由は,最高裁平成14年(オ)第1963号同15年3月31日第一小法廷判決・裁判集民事第209号397頁における私の反対意見の中で述べたとおりである。」
裁判官才口千晴の反対意見の抜粋
「私は,民法900条4号ただし書前段の規定(以下「本件規定」という。)が,非嫡出子の法定相続分を嫡出子の相続分の2分の1と定めていることは,以下の理由により,憲法14条1項に違反し,無効であると考えるので,多数意見に賛同することができない。
憲法13条,14条1項は,個人の尊厳と法の下の平等を規定し,また,憲法24条2項は,相続に関する法律は,個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して制定されなければならない旨を規定している。このような憲法の規定に照らすと,憲法は,相続に関する法制度としては,子である以上,男女長幼の別なく,均等に財産を相続することを要求しているものというべきであり,子の社会的身分等を理由として,その法的取扱いに区別を設けることは,十分な合理的根拠が存しない限り許されないと解するのが相当である。
非嫡出子であることは,自分の意思ではどうにもならない出生により取得する社会的身分である。嫡出子と非嫡出子とを区別し,非嫡出子であることを理由にその相続分を嫡出子のそれの2分の1とすることは,その立法目的が,法律婚の尊重,保護という,それ自体正当なものであるとしても,その目的を実現するための手段として,上記の区別を設けること及び上記数値による区別の大きさについては,十分な合理的根拠が存するものとはいい難い。したがって,本件規定は,人を出生によって取得する社会的身分により,合理的な理由もないのに,経済的又は社会的関係において差別するものといわざるを得ず,憲法14条1項に違反するものというべきである。
また,多数意見が引用する大法廷決定後,既に9年以上が経過し,その間,男女の結婚観等も大きく変わり,非嫡出子が増加傾向にあるなど,立法当時に存した本件規定による相続差別を正当化する理由となった社会事情や国民感情などは,大きく変動しており,現時点では,もはや失われたのではないかとすら思われる状況に至っていることは,前掲第一小法廷判決中の島田仁郎裁判官の補足意見及び深澤武久裁判官の反対意見で述べられているとおりである。このような状況に照らすと,非嫡出子が被る個人の尊厳や法の下の平等にかかわる不利益は,憲法の基本原理に則り,できる限り早い時期に法律の改正によって救済すべきであるが,それを待つまでもなく,司法においても救済する必要がある。
以上の理由により,私は,本件規定は憲法14条1項に違反して無効であり,原判決は破棄すべきものと考える。」
[ひとこと]婚外子の判例1-2003.3.31参照。裁判長は島田裁判官。島田裁判長のほか、横尾和子裁判官と甲斐中辰夫裁判官が、03.3.31判決同様、合憲の意見である。左記判決で反対意見であった泉徳治裁判官に代わり、才口裁判官が第一小法廷のメンバーになり、詳細な反対意見を展開した。この問題に関して2003年は3つの最高裁判決があった。2004年ははじめてである。しかし、2対3で合憲という結論は、依然同じである。
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