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判例 その他
5−2009.4.17
父が婚外子の出生届出をする際、「嫡出でない子」という表記を回避しようとして不受理となった場合に、例外的に職権による住民票の作成を命じた原審判決を取り消した事例
[裁判所]最高裁二小
[年月日]2009(平成21)年4月17日判決
[出典]民集63巻4号638頁、判時2040号、家月61巻9号107頁
[事実の概要]
5−2007.5.31と同じ。
[判決の要旨]
住民票を作成しないとの役所の「本件応答」につき、「法令に根拠のない事実上の応答にすぎず、これにより上告人子又は上告人父の権利義務ないし法律上の地位に直接影響を及ぼすものではないから、抗告訴訟の対象となる行政処分に該当しない」とし、「仮に市町村長が無戸籍の子について職権で住民票の記載をすべき場合があるとしても、それは極めて例外的な場合に限られ、せいぜい、出生届をすることによって届出義務者や子が重大な不利益を被る場合で、かつ、戸籍法によって義務付けられた出生届の提出を届出義務者に求めることを社会通念上期待することができないような事情がある場合に限定されると解すべきである」とした。そのうえで、子がいまだ4歳で、選挙人名簿に登録されないなどの不利益が現実化していないことなどを理由に、区が住民票の作成義務を負うケースに当たらないと判断した。
なお、今井功裁判官は、「住民の受ける行政サービスは、出生の時から始まるのであって、住民票に記載されないこと自体によって住民の側に重大な不利益が生じ、市町村の側においても少なからぬ支障が生ずることは上記のとおりである。一方、実際に区域内に住所を有することが確認できる住民について住民票の記載を拒否することは、市町村についても何の利点もないし、住民票の記載をしたからといって、市町村に何らの弊害も生じない。現に出生届が提出されない子について住民票の記載を行っている市町村が存在するが、それによって何らかの弊害が生じたという証跡はうかがわれない。」として作成義務を認め、ただし、「公務員が職務上尽くすべき注意義務を尽くすことなく漫然とされたものということはできず、区長の措置について国家賠償法1条1項にいう違法がない」との意見であった。
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