教育の場で

- 教育者によるその他の事例

--1997.09.25 市立中学校事件(大阪)

    中学校教諭X男が、同僚であるA女の活躍を嫉み、誹謗中傷を繰り返したとして、

50万円の支払いが命じられた事例。控訴審では30万円に減額。

[裁判所]大阪地裁

[年月日]1997(平9)年925日判決

[出典]判例タイムズ995203

[評釈等]水谷英夫『セクシュアル・ハラスメントの実態と法理』(信山社・2001

[上訴等]大阪高裁1998(平10)年1222日判決(30万円)2-2-1998.12.22

最高裁1999(平11611日決定(棄却)

[事実の概要]中学校教諭X男は、同僚であるA女が、被告が中心となっていた仕事の主

任担当者となり、英語教育賞に入選し、研修員としてイギリスに派遣され、原被

告勤務校の国際理解教育推進委員長に選任される等する活躍への嫉みから、職場

関係者に対して、A女について「平気でうそをつく。自分の望みを達成するため

には女の武器を使う」「セクハラをされたといって勝手に騒いでいる。やっても

らわれへんからフラストレーションを起こしてあたるんやなどと仲間内で話して

いる」「彼女に男さえいれば、性的に満たされるのに」等の誹謗中傷を繰り返した。

[原告の請求]100万円。

[判決の概要]50万円。「被告は、原告を嫉み…誹謗中傷する発言を繰り返していたものと

認められ、右被告の行為は、原告に対する嫌がらせ、苛めと評価することができ、

原告の人格権を侵害するものというべきであるから、不法行為に該当する」。

[ひとこと]控訴審では30万円に減額され、上告棄却で確定。