4 その他
4-1 政治家による事例
4-1-1997.12.24 参議院議員事件
参議院議員X男が、議員会館の事務室内で私設秘書A女に対して行ったわいせつ
行為について、180万円の支払いが命じられた事例
[裁判所]東京地裁
[年月日]1997(平9)年12月24日判決
[出典]判例時報1640号138頁
判例タイムズ972号224頁
[上訴等]東京高裁1998年8月25日判決(棄却)
最高裁1999年2月9日決定(棄却)
[事実の概要]公明党参議院議員X男が、議員会館の事務室内で私設秘書A女に対し、い
きなり抱きつき、A女の唇、頬を舐め回し、「糖尿病だから立たん」「一年で病
気を治すから、そしたら寝てくれ」等と述べ、A女を長椅子に押し付け、セータ
ーをまくしあげて乳房や肩を噛んだりした。
[原告の請求]880万円。
[判決の概要]180万円。「被告の行ったわいせつ行為は、雇用主であり、国会議員であ
る被告がその地位を利用するとともに、有形力を行使して、原告の意に反してわ
いせつ行為に及んだものであって、その態様は悪質というほかな〔い〕」。
[ひとこと]原告は、被告の要請を受けて前職を辞めて秘書になったが、わずか3ヶ月後
に職を失った。また、被告の秘書が、原告にすきがあったかのような発言を原告
の夫にしたため、原告は夫からも非難された。いちばんの支援者であるはずの被
害者のパートナーが冷静でいられなくなるために(その心情は理解できるものと
はいえ)、事態が余計に混乱し、被害者がさらに傷つけられることが少なくない。
2-1-1999.06.03 も同様。