7 パートタイム労働と派遣労働

7−2002.5.15 労働者派遣会社事件
上司である専務取締役が派遣会社の女性支店長2名に対して行ったセクシュアル・ハラスメント行為は、不法行為に当たるとして会社の使用者責任・不法行為責任を認めた判例(岡山セクハラ
[裁判所]岡山地裁
[年月日]2002(平成14)年5月15日判決
[出典] 労働判例832号54頁
[事実の概要]
被告会社Y3の専務取締役営業部長であった被告Y1は、平成11年3月頃から、岡山支店長であった原告X1に対し、異性関係をきいたり、後継者の地位をちらつかせて肉体関係を迫る等した。また高松支店長と徳島支店長を兼務し、X1と親しかった原告X2に対して、Y1は、X1と肉体関係を持つことに協力するように要請した。しかし、原告はともにこれを拒否し、両原告を含む従業員数名で、代表取締役である被告Y2に、Y1の行為を訴えたところ、原告らに対して事情聴取が行われたものの、Y1のセクハラ行為は確認できないと結論され、X1、X2、Y1の3名に対して降格・減給(3割減)の処分が決定された。X1とX2は、社内を混乱させたとして、一般社員に降格となり、X1の月給は70万円から49万円に、X2の月給は80万から64万円になった。Y1も、専務職を解任されたが、実際の業務は従前と変わらなかった。この処分の後、Y1は、自らのセクハラ行為を否定し、両原告は淫乱である等と従業員に噂を流した。1月後、両原告はさらに減給を受け、X1の月給は30万円、X2の月給は32万円となり、仕事を事実上取り上げられてしまうようになり、給料も全く入金されなくなったため、10月にY3を退職した。
[判決の要旨]
Y1の行為は、上司としての立場を利用したセクシュアル・ハラスメントであって不法行為にあたり、またY2のX2に対するセクシュアル・ハラスメント事情聴取中の発言は、業務の執行中になされたものであるとして会社の使用者責任を認めた。
「被告Y1の行為は、上司としての立場を利用して原告X1と肉体関係を持つためになされたものであり、原告X1がこれを拒否し、Y3や被告Y2に対してセクハラ行為を訴えるや、上司としての立場を利用して原告X1の風評を流し、職場環境を悪化させ、原告X1の職場復帰を不可能ならしめたのであるから、不法行為に当たる。」(原告X2に対しても同様の判断がなされている)
「被告Y1の上記行為は、被告会社の内部で、被告会社の専務取締役としての立場を利用してなされたものであり、Y2の行為は、被告会社で生じたセクハラ問題についての事情聴取中になされたものであるから業務の執行についてなされたものであることが明白であり、被告会社はこれらの行為について使用者責任を負う。」
[ひとこと]
セクシュアル・ハラスメント1−1−2002.05.15事件に同じ。